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July 2008

Thursday, 31 July 2008

写真がもっと好きになる本とカメラ。

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ほぼ日の連載中、いつも楽しみにして読んでいた「写真がもっと好きになる。」が春先に一冊の本として出ていたのを買ってありましたが、ちょこっとずつ大事に読んでいて、ついに読み終えました。

著者の菅原さんは有名なカメラマンの方ですが、技術的なこともやさしく解説してくれていて、かつ「難しいことなんて気にせず撮りましょう!」的なスタンスが心地よく、”自分にだって、いい写真が撮れそう!”な気分をとても高めてくれる本なんです。

読んで印象に残ったのは、写真が写るということは、そこに光があるという証明だ、ということ。

あたりまえなんですが。そうだそうだ!という気分になりました。

すぐその気になる私は、その日の光を記録しておくために毎日、空の写真を欠かさず撮っているという菅原さんの教えにならって、「今日の空」を毎日撮ることにしました。

もとより、雲にいじょうな興味を示す子だったので、今でも、一秒ごとに形を変える雲が気になって仕方ありません。あまりの雲の形の面白さに、少し西に住んでいる友達にあわてて教えたことも。友達の住んでいるところの空に到着するまでに形は変わるのに。

 (これほどまで興味があるのなら、気象予報士になると良かったんだろうなと思います、理系センスさえあれば・・・)

毎日、朝の空を撮ってみると、時間は変わらないのに天気によって空の表情が全く違っています。
こういうことなんだなー、という面白さです。季節が変わったら、同じ時刻でも明るさがまったく変わってきますよね。それもまた楽しみ!

さて、本の内容ですが、光のこと、アングルのこと、プリントのこと、カメラ選びのこと、レンズのこと、色のことなど、写真にまつわる要素を網羅してしっかり採りあげてくれています。

また、お手本の写真もたくさん掲載されているので、構図や対象物選びの勉強にもなります。
写真の鑑賞のしかたもとりあげられていて、今まで、味わい方がいまひとつわからなかった写真集も、違う目であらためて楽しめそうです。

本棚からたまに取り出して気になった部分を読み返すと、ちょっとだけ、いろんなことにこだわった写真を撮りに出かけたくなってうずうずしてくる!そんな本です。

本の装丁は、昔のザラザラのプリント写真(お店で、光沢・絹目、どちらにしますか?と尋ねられる、絹目のほう。)に似た仕上げ。表紙のオレンジ色が良く似合っています。

で、毎日持ち歩くFrame5949474カメラは、フィルムカメラとデジカメを仲良く交代制にして使い分けたいところです。フィルムカメラのほうは、小さいのも重たい一眼レフもわんさかいるのですが、コンパクトデジカメがどうしても、うまく使いこなせません。自分の腕のせいとは知っていながらも、理想的な写り具合になかなか出会えないのです。

デジタル一眼のE410は鞄にほりこんで持ち歩けない重さではまったくありません。が、毎日入れておくのもなかなか難しい。それに「あっ、これ撮りたい!」でサラッと出せるカメラではないような・・・。休日や、旅には迷わず連れて行けるけど。

フィルム版の時から憧れだったGRシリーズのデジタル版、GR DIGITALをついに仲間に迎えることにしました。指をくわえて憧れた初代から、やや価格も親しみやすくなった二代目が去年出たので、そちらを。

一眼レフで撮るとき、私は絞りを開放するのが好きでほとんどそればっかりで撮っています。
このGRレンズはf2.4なので、コンパクトデジカメのなかでは明るいレンズです。そのレンズで撮ったらどんな写真が撮れるんだろうと、長年憧れたよ~。

こないだ食事の際にさっそく絞り開放で撮ってみました。三脚がないので、友達に呆れられながらもセルフタイマーにして息を止めて撮ったら、白熱灯の暗いお店でもお食事がブレずにおいしそうに写ってくれました。

しかし、このカメラについている機能を使いこなすまでには相当の修行が必要そうです。公式BLOGもあって非常にためになりますが、内容的にはまだほとんどついていけていません・・・が、大きな買い物だったので、ずっとずっと使います!
機能拡張ファーム・ウェアがダウンロードできるというのは、長く使い続けることを前提とした、いいサービスだなあと思いました。
デジカメを買いました。という報告はこれがさいごになる、はずです!

嬉しくって何枚もPiviでプリントしてみましたが、フィルムカメラで好きな感じの「機械的すぎない写り」に見えるのは、GRで撮ってるんだ!という思い込みが相当入っていそうですが、毎日使い込んでこの奥深さを研究して行こうと思います。

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Sunday, 27 July 2008

旅の道連れバッグ。

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こないだのHERZでは、もうひとつちいさめのバッグも実は連れてきてました。ソフトダレスバッグで、お医者さん型、がま口式にガバッと開くタイプです。私が買ってきたのはXSサイズです。

ベルトの下にワンタッチ金具があるので、開け閉めらくちんです。でも自分が体にかけている方向からでないと開けにくいんですよね、なんとなく。これは防犯にも一役買うのではないかと密かに思っています。

けっこう余裕なマチがあって、形は決まりすぎずフレキシブルなので、カメラはもとより、財布や身の回り品の他に文庫サイズノート、ペン、文庫サイズの地図、たたんだエコバッグを入れてもまだ余裕あり。うまくやれば極小ペットボトルまで入りそうな勢い。
(でもそこまでやるとちょい重くなります。)

裏側には定期入れよりも少し大きいぐらいの薄いポケットがついています。プリペイドカードや切符をすぐどっかにやる者としては、定位置があるのはとてもありがたい。
このポケット、革がなれてきたら、薄手のハンカチぐらいは入るかも・・・。

まだ新人らしく革が硬くてしっかりしているので、口金をあけるときなど「ごわっ」と音がしてしまうのですが、今からいろんなところに連れ出して、夏のおでかけ旅に馴染んだ感じで連れて行けるようウォーミングアップ中です。

青山の本店のほうの棚には、このバッグがサイズ違いでズラリと並んでいたのが壮観でした。女子ならば、あまり大きいのにするよりも、このミニチュアサイズあたりがほほえましい感じです。
逆に男子なら、バーン!と、でかいのが実にいい感じですよ。使い込んで革の年季が入ってくるまで、ガンガン使う!といった感じでしょうか。

ショルダーバッグ部門では、このバッグとともに有力候補に挙がっていた、ビーンズバッグとどちらにしようか非常に迷ったのですが、このレトロさに軍配で、まずはこのソフトダレスを迎え入れることになりました。
ビーンズバッグも究極にシンプルで使いやすそうでしたよ。こちらは、イメージとしては断然、赤がかわいかった!!待っててね!

・・・と、リンクを貼ろうとHERZのサイトを見ていたら、あらやだ、またこんなに魅惑的な旅鞄が。
これもガバッとがま口タイプなんだ。
Mサイズ、かわいい!
でも重いだろうなあ。
リュックって正直防犯上勇気なくて、海外のお供にさせたことはなかったんですが、錠つきというのがいい。これなら海外での街歩きにも大丈夫だなあ。

って別に、今のところ海外に行く予定はありません。
でも気になるなー。実物見たいなー。

夏らしく、18きっぷで東京、行こうかな・・・??
旅鞄に会うために旅に出る、というものなかなかおつなのでは??(無理矢理すぎますか・・・)

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Saturday, 19 July 2008

やわらか革のトートバッグ。

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以前からホームページを見て、いいなあと憧れていた鞄のお店がありました。手作り革鞄のHERZです。ずうっとホームページや楽天サイトで、あれもいいなあ、これも素敵そう、と夢だけふくらませながらいつか実物を見にいきたいと思っていたのです。(スタッフさんによるblogも、かばん愛にあふれていて、かなりおかしいです。) 今回、はじめてお店に行くことができました。

HERZの鞄は、革鞄愛好家の方に定番人気の存在というのをいろんな記事で読んでいましたが、まさに長く使えそうなしっかりした鞄がいっぱいでした。特に、男性用のしっかりしたビジネスバックは、手入れして、修理して、いい感じになじませて使い込むのが似合いそうな、そんな雰囲気なんです。

青山の本店と、少し歩いたところにカジュアルラインナップのお店があります。もちろん両方のぞいてきました。まずは本店のほうから。

ホームページにも紹介があるように、厚革。無骨。定番。個性的。まさにそんな鞄がたくさん置いてありました。店内には仕事帰りの男性が、ビジネスバッグを吟味していました。色は各タイプとも、キャメル・チョコ・ブラック・グリーン・レッドから選べるのですが、断然キャメルが雰囲気です。

革のいい香りが漂う店内で、大きいボストンバッグのかわいさに負けそうになったり(しかし荷物を詰めると重そうだ・・・)私が男子ならきっと買ってるお医者さんバッグの風格漂う姿を堪能したあと、カジュアルラインのお店、TOM DICK AND HARRYのほうにも行ってみました。(お店の名前の由来を聞こうと思っていたのに鞄に夢中で、わすれた!)

こちらのお店は、やわらか革のポシェットやショルダー、リュック等がわんさかと。財布やペンケース、ノートカバーなどの文具小物もたくさんありました。赤いペンケースがかわいかった!

あれやこれやと持たせてもらい、どれもいいなあと思ったけれど、悩んだあげく、やわらか革のシンプルなトートを買うことにしました。

革の感じと形ももちろん好みでしたが、タグに押された刻印のイカリマークがかわいくて、ひじょう~に気に入ってしまったのです。

中にはポケットもいっさいついていなくて、究極にシンプルなつくりです。そして革はほんとうにソフトで、そしてとっても軽い!
結構大きいので、(入れてませんが靴の箱ぐらいは充分に入りそう)、一泊ぐらいのお出かけにも対応可能かも。うれしくってここ最近の通勤のおともにしていますが、夏の旅にも連れて行くぞ~!

仕上がりを待つことさえできれば、持ち手の長さをアレンジしたりして、オーダーは可能なんですが、とにかくすぐに連れて帰りたかったので、お店にある商品をもらって帰りました。

買うときにも言われましたが、持ち手の長さは、薄着のうちは大丈夫ですが、冬とかでコート着てるときは、肩掛けがちょいときびしそうなギリギリの長さ。まあ、腕の細い人なら大丈夫でしょう。私は、冬までにがんばって腕のスリム化をはかることにします。

もう、お店にあるどれもこれもかわいくって、お店の人にもさんざんつきあわせて申し訳なかったけどわいわい言って買い物して、楽しかったなあ。またきっと、東京に行ったらきっと見に行ってしまうと思います。

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Friday, 18 July 2008

白い砂、松林。

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ノック式の万年筆、パイロットのキャップレス
作りとしても、すごい機構に尊敬しちゃうけど、その楽しさといえばやっぱり、片手でも素早くノックして書き始められたり、外に持ち出して使うのにも大活躍してくれるところ。今使っているのはFの細字で、手帳への細かい書き込みもできて大満足の1本なので、もしも次に迎えるとしたらMでインクの濃淡を堪能しましょう、なんて考えてはいたけど。

いつか先の楽しみに取っておくつもりだったのに。

仕事で東京に来てしまいました。

宿に戻るまで、少し時間が空いてしまいました。

赤いクリップが見えてしまいました!

平日の夜はさすがの伊東屋もお客さんはそう多くなく、のんびりとした雰囲気でした。
万年筆売り場ではパイロットのフェアをやっていて、万年筆とインクを一緒に購入したら、パイロットオリジナル「万年筆用箋」がついてくるんだそうです。
そういうプレゼント、ちょっと気になるじゃありませんか。
第2弾のシリーズも素敵な色がいっぱいで、気になっていたiroshizuku。レシーフの緑に入れたら、透明の軸から透けて見えるのが似合うだろうなあ、って急に思ったので、松露という色にしました。

そして、キャップレスデシモは前から欲しかった、パールホワイトの軸を選びました。

宿に帰って、うきうきとデスクの上で広げてみたら、ライトに照らされたパールホワイトは、きらきらと綺麗に光っています。早速、松露インクを入れてみました。

既に神戸のお店で色見本は見ていたので、店頭でも試さず買ってきたのですが、書いた瞬間とつぎの一秒ぐらいで、もう色が違う!
わー、なんだなんだ? たのしい〜!

書いたときは青が強いのに、そのあとはもう緑になってしまっています。松といえば松の緑かな。椿みたいな、分厚い葉っぱの緑っぽい色にも思えます。

色が変わってしまうのはめちゃくちゃ楽しくて、ついつい落書きして遊んでしまいます・・・
第2弾シリーズの他の色にも、そんなかくし芸があるのかな?

ちなみにプレゼントの万年筆用箋は、スピカレイドボンドに似た雰囲気の紙で、細かい線の透かしが入っています。まだ、もったいなくて書いていないのですが、パイロットが選んだ紙ですから、それはそれは夢のような書き心地なんだろうなあ。サイズは偶然にもPOSTALCOのレターライティングセットにはまりそうな大きさなので、それもちょっとうれしかったりしました。

白くきらきら控えめに細かい粒が光るようなデシモの白軸と、青改め緑のインクは、松林に囲まれた白い砂の海岸のイメージになってきました。日本の海、夏の到来です!ビーチじゃなくって海水浴。

暑いのは得意ではありませんが、海の近くの純和風旅館の縁側で、湯上りに蚊取線香を焚きながら、このセットでお手紙を書きたい!と、心は天橋立あたりに飛んで行ってしまっているのでした。

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Wednesday, 16 July 2008

モバイルプリンタであそぼう。

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ポラロイドフィルムの生産中止と予告された夏がついにやってきました。もう既に、工場はストップしたみたいで、お店にあるのが無くなればそれでおしまいのようです。
しばらく楽しめる分は買っておきたいけど、買ったらやっぱり冷蔵庫に保管しておかなくちゃなあ。

と思いわが家の冷蔵庫を見つめてみる。

いまわが家にいる新旧2台のポラロイド、SX-70とOneのために、フィルムをたんまり蓄えておいてあげなければいけないのだけど、わが家の冷蔵庫は、男子のひとり暮らしなみにちっこいやつなのだ。

容量は170Lという、お店にもなかなか置いてない中途半端なサイズだけど、ふたりぶんの食卓を細々と支えてくれるかわいいやつです。

この冷蔵庫、とある所から縁あって私に付き添って嫁入りしてきたので、壊れでもしない限り、買い換えるなどどいう気にはとてもなれません。

容量が小さいおかげで、食料品の特売情報も全く気にならないのがいいところ。
(買いこんできたところで、入らないんだもん!)

そんな事情もあって、ポラフィルムの在庫を豊富に持ちたいという夢をかなえづらい状況。
(それに、ポラフィルムったら、お値段張るんだ…)

だけど、やっぱりフレームつき写真は、素敵さ2割増に見える感じが大好きなんです。

なあんてことを考えていたら、ボーナスどき恒例の、お得意様ポイント優待のお手紙が地元の弱小(←ごめんなさい。)電器店から届いていた。

「これは。。。あの子が呼んでいるに違いない。」といつもながらに勝手な背中押し。

長らく我慢していた、ポラロイド的なフレーム写真がプリントできるモバイルプリンタ”pivi”を連れて帰ってきました〜!

FUJIFILMのMP-300です。2種類ある機種のうち、そうそう買い換えるものではないはずなので、思いきって、通常機能の赤外線送信に加えケーブルでデジカメとつなぐことのできる上位機種(といってもかわいいもんだ!)のほうにしました。

ただし、購入するにあたり、チェキにするか、piviにするかは相当迷ったので、この筋に詳しい友人のアドバイスも聞いてみました。それも総合すると、両機、こんなメリット・デメリットが。

■フィルムはチェキと共通ではなくて、微妙にサイズが違う。やや、piviフィルムの方が売価お安め。
■チェキだと(ポラロイドもそう)、気に入った写真が撮れるまで何度も撮り直し、フィルムを浪費するおそれあり。(ありえる〜!)
■デジカメや携帯カメラから赤外線送信やダイレクトプリント可能なpiviは、気に入ったベストショットのみプリント可能。しかも繰り返しプリントできる。
■チェキだと、撮りたい時に持っていなければおしまい。
■チェキでも直前のショットは再プリントできるみたい。撮影モードもバリエーションが加わった様子。
■電池は単3を使うチェキ(piviはリチウム電池)の方が手軽さと価格で勝ち。
■piviにはAC電源を使えるものも。(ただしACアダプターは別売り。)
■piviの最高機種はややお高い。チェキの最安機種の下手すれば倍近く、なんてことも。
■見た目はぜったいチェキのほうがかわゆい。

等々、どちらにもいい所があるのですが、欲しい写真を厳選して量産できること、そして今あるカメラたちを活用できることが決め手となり、piviに軍配!となったわけです。

早速、携帯カメラの写真や各種デジカメの写真をプリントしてみましたよ!

これは多いに楽しめる予感がします!
私の携帯カメラは、ほとんど”おまけ”のようなかわいいスペック(200万画素・・・。)なので、これをプリントすると、ふんわりぼんやり、ポラロイド的な風合いがたっぷりな写真になります。

一方、デジタル一眼でしっかり撮ったような写真は、細部までくっきりとプリントできます。背景に写ったリネンの織り目までくっきり出ているのにはオドロキ!

ちなみに、上の写真に写っている東京タワーと紫陽花は、どちらも携帯カメラからプリントしたものです。いい感じに適当な写りがいいですね〜。

インスタントフィルムは実はとっても高画質で、そこはやっぱり天下のFUJIFILM。カメラの特性に合わせた写真を簡単にプリントできるpivi、本体のサイズも分厚めの文庫本一冊ぶんぐらいだし、これはきっと夏の旅行にも連れて行っちゃうな!

ああ、いい買い物をしました。
フィルム、安いときに買いだめておこう。

ちっこい冷蔵庫に少しだけおさめたポラロイドのフィルムは、この夏、大切なものを撮りに出かけてすこうしづつ使い切ることにしよう。

ちょっとせつない、新旧交代になりました。

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Friday, 04 July 2008

しあわせな時計。

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まだ寒い、1月のこと。

たまたま、TVのニュースをつけていたら、阪神大震災で大量の壊れた時計を扱った経験から、思い出詰まった時計をできるだけ直してあげたいと、修理に情熱を注いでおられるという、兵庫県姫路市の永浜時計店さんの話題をとりあげていました。

修理に対するあたたかい想いと、修理に持ち込んだ時計が動くようになって、うれしそうにそれぞれの家に帰っていく様子を想像して、ニュースを見ながら、感動して泣いていたら旦那にえらくびっくりされたりしたのですが。

私にも、直して欲しい時計がひとつあったのです。

それは、私の祖母の腕時計ですが、母が「もう動かないけど」と私にくれたもので、きゃしゃなブレスレットタイプのものです。

決してどこかの高名なブランドのものではありませんが、”SWISS”と、なんともいい感じの字体で刻まれたクラシカルな文字盤がとっても気に入っていたのです。

動かないのは惜しいなあと、百貨店の時計修理コーナーに見せに行ったら、部品が壊れているので無理ですね、と宣告されていたものでした。確かに内部でからんからんと、何かが折れているような音がしています。

ニュースを見て、とにかく時計を診てもらおうと、旦那に頼んで車で姫路まで連れて行ってもらいました。
お店に着くと、白衣をお召しになった時計のお医者さん、永濱さんがおられました。
とても優しく微笑んで、「大丈夫。直りますよ。」と声をかけられ、また泣きそうになりました。

やっぱり中の部品が折れているそうですが、その部品を作ってくださるそうです。そして、修理待ちの時計たちが山のように並んでいて、時間をくださいねと言われましたが、直ってこの時計を使えるようになるのなら、いつまでも待ちます!と喜んで預けてきました。

それから待つこと数ヶ月、直りましたよとお電話をいただき、また旦那に車を出してもらい、時計を受け取ってきました。

文字盤もケースも綺麗に磨いてもらい、何よりも規則正しく刻む機械の音が聴こえ、修理の様子と中に収められていた部品たちの写真つきの永濱さんのお手紙を何度も何度も読み返しました。

それから早速、元気になった時計をサプライズで祖母に返しに行きました。

そうしたら、この時計にまつわる、すごい思い出話を聞くことになりました。

戦後何年か経ち、祖母が初めて大きな買い物をしたのがこの時計だったそうです。それでとても大切に使っていたのですが、ある日大阪駅に知人を見送りに行くことになりました。列車の時間が近づき、あわてて階段を駆け上がっていたら、しばらくして腕に時計がないことに気がつきました。でも時間が迫っていて、駅は混雑しているし、引き返すことができなくてそのまま見送りに行き、帰りに辺りを探したけれど、もう見当たらなかったのです。

たいそう落ち込んで家に帰宅したけれど、祖父にもそのことをとても言い出せず、しばらく胸にしまっていて、他の時計を買って忘れようかと思ったけれど、それ以上に気に入るものがなくて、忘れられずにいたそんなある日の夜。

夢に時計が出てきたそうです。
暗いところで時計が「早く迎えに来て・・・」と泣いている夢。

その翌朝、思い切って祖父に時計を失くしたこと、昨晩の夢のこと、全部話したら、祖父が「なぜ早く言わん」と早速大阪駅に電話したそうで。そうしたら、それらしきものが届いているので見に来てくださいと。

結局、その日、駅員さんが落ちている時計を保護してくれて、忘れ物として預かられていたそうです。無事に祖母のところに戻ってきた、というお話でした。

またまた、そんな話を聞きながら大泣きしている私。

そんな思いをした時計ならなおさらだ!動くようになったし、ほら、おばあちゃんまた使って!と渡そうとしたら、おばあちゃんが持ってももう似合わないから、かわいがってあげてと私にくれました。

私がいつまでも大切にするね。
そしていちばん聞き分けのいい孫に、今のお話つきでいつか託すことにするね。

ちなみに永濱さんは、数々の賞に選ばれておいでですが、「現代の名工」のおひとりでもあります。現代の名工、といえば万年筆の長原さんもだなあと思っていたら、ともに紹介されているページがありました。もうひとり紹介されている一澤信三郎さんの帆布かばんも大好きなので、とても親しみのある顔ぶれが揃ったページです。

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