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Sunday, 18 January 2009

金ペン堂で出会うアウロラ。

2009011802_2 神保町でお仕事。
神保町と云えばですよ・・・
あの「万年筆界の総本山」(?) のような「あの店」が、在るではありませんか。
年末に、いずれ赤いペリカンが欲しいな〜とつぶやいておいたのですが、早くもその時が来てしまったのか!これも運命のいたずらなのね!と都合良く解釈し、のこのこと金ペン堂に行ってしまうことにしました。

金ペン堂については、そりゃもう、万年筆の世界に足を取られてから、いろんな書物やネットでがっちりお勉強しておりました。
お店のポリシーや調整のこと、個性的かもしれないご主人のお話、(ご健康の事含めて)、モンブラン取り扱いの顛末などなど、とにかく、行くあてもないのにこんなに予習してどうすんの!と自分に突っ込みができるほどで、いろいろ知りすぎて想像はふくらむばかり。

「自分が足を踏み入れたりすることが許される日は来るのだろうか?」と妙に遠い存在に思っていたのですが。
その反面、「すばらしい書き心地に調整済みの万年筆」のことや、使うインクの色を申告しなくちゃいけない、とか、あーとにかくそれらをまとめて体験したい!とか、あれこれ考えているうちに、もうお店の前に着いてしまいました。

(それにしても今までこの界隈、しかも至近距離まで何度も来ていたのに、同じエリアだということを頭の中の地図機能が把握してなかった・・・)

お店を見て、あれっと思ったのは、確か記事で見た記憶ではもっと年季の入っていそうな(失礼しました・・・)、そして万年筆が積み上がっていて、間口も狭くて近寄りがたし!そんなディープなお店のイメージでしたが、とっても店内は明るくて、ショーケースに整然と、そしてゆったりと並べられたペンたち。いたって普通のお店です。(とびぬけた想像をしすぎていたらしい・・・)改装されたのでしょうか?

ガラスケースの中にはずらりと赤いペリカンもいます!店に他にお客さんがいないので早速、カウンターにおられた若旦那にM400の赤軸でEFを見せてくださいと告げました。

ここで!インクの色を聞かれました。ブルーと言うつもりだったのに、なぜか口が勝手に「ブルーブラックで・・・」わー。違った。(確信犯?!)
そうしたら、「ブルーブラックならこのウォーターマンをおすすめしています。」うふふ。なんだか、この体験もできて感動!(完全に、違う部分で楽しんでいる。)
そして、ブルーブラックを含んだ赤いペリカンで、記念すべき試し書き。

差し出された紙には、つい、意味不明の単語を書いてしまった・・・って、それはいいのですが。
私の書く一文字目を目にしたとたん、若旦那は反対側の壁のガラスケースに手を伸ばし、「細字でしたら、こちらのほうが書きやすいと思います」という言葉とともに、なんとも愛らしい桃色をした、細身の軸のペンを差し出しました。
20090118_2
はじめて出会ったそのペンは、アウロラでした。
タレンタム・フィネスのEF。
「こちらの方が、紙へのあたりがなめらかです。」と、こちらにもウォーターマンのブルーブラックを含ませてくれました。

そしてまた書いてみる。意味不明の別の言葉を。
そしたら、ほんとうにあたりが違う。本当になめらかで、紙とのあいだに摩擦の存在を全く感じない感触。

「ほんとうだ、とってもすべりますね〜!」
一瞬で相当うっとりしたのですが、はたと我に返り、アウロラは既に一本持っているじゃないの〜!赤いペリカンが遠ざかる〜!と現実的なことを考える。

でもせっかくなので、おすすめの理由も聞いておこう。若旦那に質問してみる。「私の、持ち方との関係もあるんでしょうか?」「あります。」さらり。
「ひ、筆圧とかもですか?」「(ふっと微笑み)そうですね。」

そうか。それなら。
あっさりその気になった。ほっそりしているのに、やや重たさがあって、その重みのお蔭もあるのか、握りやすくて、無理な力がいらないのかも。
「万年筆はどんどん使うことが一番のお手入れなので、紙への当たりが良くないと、いつまでも書いていたいと思わないですからね。」

既に持っているアウロラはミニ・オプティマのEFで、14Kのもの。今回のこのペンとおそらく全く同じペン先だから、かぶるなあとは思いましたが、なによりも、そのまるみのある書き味が心から気に入ったのです。
私の持ち方の癖や筆圧を見抜いてのおすすめとあれば、これもご縁!

というわけで、突然私の前に躍り出たタレンタム・フィネスが新しい仲間に加わることになりました。軸色は、黒、赤、黄などあったはずですが(舞い上がってあんまり覚えていない)、若旦那が差し出してくれたままの桃色で行くことにしました。(差し出すにあたり、なぜゆえにその色だったのかは、こっぱずかしいので聞けませんでした。)
インクの色は変えないでくださいねと念を押されたので、ウォーターマンのブルーブラック専用ペン、という運命のもとに。

あとで冷静になって考えてみると、この桃色の軸、さすがにちょっと乙女すぎたかしら・・・との思いがもたげてきますが、まあ、いいことにしましょう!

豪勢なアウロラの箱に入れてもらい、ひと瓶持っていることは言い出せなかったウォーターマンのブルーブラックが、紙袋に(なぜかカランダッシュ)に仲良くおさめられました。

そんなこんなで、私の記念すべき金ペン堂での初めてのお買い物は、あっさり終わったのでした。
なんだ、全然怖い店じゃなかった!丁寧にインクの吸入方法や、定期的にするお手入れのことなどを説明していただいたし!
結局、私が店にいる間、他のお客さんの来店はなく、通なお客さんとのディープな会話、に耳をそばだてたりする機会はなくって、それがちょっとだけ残念。

お店を出て、夕方の神保町を歩きながら考える。
私、古い本が好きだし、古い喫茶店と洋菓子とカレーが大好き。そしてスキーに万年筆。
神保町を歩くためにいるような人間だと思う。
というよりも、神保町に勤めていたら大変だっただろうなあ。

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Comments

若旦那(笑)。
そんなかわいい色の軸があるなんて。子供っぽくないところがさすがイタリアものですね。
細くて使いやすそう!
アウロラは、書き味がまるいですよね。
私だって、緑軸を買い足してオプティマ3本セット、とか作ってニヤニヤするのが(遠い)夢なのですけれど、その前にデルタのオレンジ色を金ペン堂に買いに行きたいなあ。

Posted by: ほしの | Monday, 19 January 2009 at 02:49 PM

早くも強化筆記訓練中です。
書き味、ほんっとまるいです。

ほしのさん、あと緑がきたら3本セット完成かぁぁ~!
それは、はやく全員並べたいですよね(、と、後押し。)
デルタのオレンジ色も、うつくしいですもんねー。
永遠に憧れます。
こちらも早くほしのさんの「買った話」がききたいー。

映画「クローズド・ノート」の中で、エリカ様演ずる女子大生が、ドルチェビータで授業のノートを取っていて(なんと豪勢な・・)
なななんと居眠りしてペンが手から落下するシーンがあり、思わず目が点になってしまったことを思い出してしまいました。
ありえない!

Posted by: はるる | Monday, 19 January 2009 at 10:35 PM

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